家を建てるまでに時間の余裕があったK様邸は、じっくりと打ち合わせを重ね、奥様を唸らせるほどの設計図が完成しました。
さらにご夫婦が感心されていたのは、耐震強度を高めるTIP工法(木造住宅耐震工法)。
3・11をこの家で経験され、 耐震の重要性を改めて実感したといいます。
住み心地のよさと安全に暮らせる安心感。
いい家の条件に欠かせないものは、見えない部分にあるのです。
工務店は即決でしたか?
ご主人「いえいえ、かなり迷いました。大手のモデルハウスはほとんど見に行きましたね。本もたくさん読みました。そうやって勉強していくうちにCMや広告にお金をかけている業者はその分上乗せされることや、大手は担当者の異動が頻繁でつきあいが浅いということが少しずつ分かってきたんです。それで最終的にA社とウスウラ建設の2つに絞りました」
奥様「ウスクラさんの方が条件が悪かったのよね。A社の方が家も大きいし金額も安かったんです」
その上でウスクラ建設を選んだ理由は?
ご主人「まずは構造上の部分ですね。A社は断熱材について質問攻めにしたら、担当者がしどろもどろになってたんですよね」
奥様「この契約をなんとか成立させたいっていう気持ちも見え見えでした。薄倉さんは大事なことだからよく考えて決めていただいて結構です、とどちらかというと引き気味の姿勢で。それが逆に誠意に感じて、プレッシャーなく考えられたんですよね」
ご主人「薄倉さんは家づくりは長いおつきあいになる、という話もしてくれましたね。そういう点でも信用できました」
設計段階はいかがでしたか?
奥様「うちは日程的に余裕があり、かなり時間をかけていただきました。打ち合わせも何十回と重ねて、その都度設計図が変わっていきましたよね」
薄倉「そうそう、Kさんには色々ご指摘いただいて、ごもっともと思う部分がたくさんありました」
ご主人「僕らは素人だから、予算を度外視して勝手な発言をするんですよ。そうすると設計士の加瀬さんが〝これダメですよ!〟ってはっきり否定してくれるんですよね。最初はえって思ったけど、ただ否定するのではなく具体的にこうだからダメなんだという裏付けがあるから説得力があるんですよ。プロの目線で話してくれると納得ができますよね」
奥様「私は動線にこだわりましたね。1階にそろばん教室を設けたので、仕事場と居住空間をどう分けるか、細かいところを一つ一つ検証して決めていきましたよね」
薄倉「そうでしたね。玄関を2つに分けるか、ドアを開けたときに子どもに当たらないか、とかね」
奥様「しかも加瀬さんは私たちに内緒で遊び心を取り入れてくれたんですよ。採光を増やすために窓の位置を高くしたり、裏の神社の鳥居が真正面に見えるように窓を配置してくれたり。打ち合わせの段階で大変な思いをさせてしまったのに、そこまで配慮いただいたのはうれしかったですね」
ご主人「本当だよね」
奥様「うちにはデッドスペースがないんですよ。手持ちの家具のサイズを教えて、それがうまく引き立つような設計を考えてくれたんです。収納も至る所につくっていただいて。最終的に完成した設計図を拝見して、あぁ完璧だなと思いましたね」
住んでみていかがですか?
薄倉「TIP工法はヒノキ板を斜め45度に張る事で耐震、耐久性を高めているんですよね。正直金額ははるんですが、柱・土台がしっかりしているから長持ちします。何十年か経った後に、結果安かったな、と感じてもらえたらいいなと思いますね」
ご主人「〝本当にいいもの〟は伝えたくなりますよね。だから以前も勉強会の講師をやらせていただいて、これから家を建てる方へお話をさせていただいたんです。地震に強いという安心感と住み心地の快適さ。トータルの満足感は何ものにも変えられないですよね」